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2007年11月 5日 (月)

中央教育審議会中間報告

中教審 学力低下を反省、小中学生の学力を強化

 次の学習指導要領を審議してきた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は30日、中間報告をまとめた。

授業、30年ぶりに増加

 「ゆとり教育」による学力低下を反省し、小中学校では、主要教科の授業時間を1割以上増やす一方、現行の指導要領から導入された総合学習の時間を削減する。国際化に対応するため、小学5年から「外国語(英語)活動」の時間を創設。「道徳」を教科に格上げすることは見送る。小中学校の授業時間が増加するのは30年ぶりで、「ゆとり教育」からの方針転換が明確に打ち出された。

 中教審は来年1月にも答申をまとめ、文部科学省が今年度内に学習指導要領を改定。新指導要領は早ければ2011年度から実施される。

 現行の指導要領は、学習内容の3割減や授業時間の短縮などによる「ゆとり教育」を掲げ、小中学校では2002年度、高校は03年度から実施された。

 しかし、学力低下への批判が相次いだため、今回の中間報告「審議のまとめ」では、「授業時間を減らしすぎた」などと反省。〈1〉全教科での言語力育成〈2〉理数教育重視〈3〉伝統文化に関する教育の充実〈4〉道徳教育の充実〈5〉小学校の英語活動――などを新しい目標に掲げた。

 小学校の授業時間は、各学年とも週1、2コマ(1コマ45分)増やし、6年間では現在より278コマ多い計5645コマに。特に増えたのは国語、算数、理科、社会の主要4教科と体育で、中でも、算数と理科はともに16%増となる。また、5年生からは、週1コマが英語活動に充てられることになった。

 中学校では各学年とも週1コマ(1コマ50分)、3年間では、現在より105コマ多い計3045コマとした。特に理科と外国語(英語)が増え、3年間の授業時間はともに現在の33%増。英語は、国語、数学などを含め、教科の中で最も授業時間が多くなる。

 現在の指導要領で大幅に削減された学習内容も相次いで復活し、小学校算数では「台形の面積」、中学校理科では「イオン」が加わる。一方、ゆとり教育の象徴だった「総合学習の時間」は、小中学校ともに削減され、中学校の「選択教科」も事実上廃止される。「道徳」については、「引き続き検討する必要がある」として、教科化を見送った。

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[解説]「詰め込み」と「ゆとり」折衷

 戦後、日本の教育は「詰め込み教育」と「ゆとり教育」の両極端に振れてきた。新しい学習指導要領は、「生きる力の育成」という現在の「ゆとり」と同じ理念を引き継ぎつつ、授業時間は「詰め込み」時代の水準に戻すという、両者を折衷した形になった。

 今月24日に公表された全国学力テストの結果でも、日本の子供は思考力や表現力に課題があることが明らかになっている。増加する授業時間を、受験を意識した暗記中心の勉強に費やすのではなく、自分の考えを文章や言葉で表現させる学習にあてる必要がある。

 ただ、今回の「審議のまとめ」を詳しく見ると、中学英語が週3コマから4コマになった理由について、ある文部科学省幹部が「私立の進学校の授業時間に近づけるため、増やさざるを得ない」と明かすなど、根拠があいまいなものもある。今後、文科省は指導要領の改定作業で、なぜ授業時間を増やし、何を学ぶかを、学校現場に明確に示すべきだ。

(社会部 村井正美)

(2007年10月31日  読売新聞)

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